LOVE 笠井 信輔(フリーアナウンサー)/帝劇ミュージカル『ラ・マンチャの男』 2021.02.18 LOVE 1227 40年前、演劇業界の伯父から「面白い芝居があるから友達誘ったら?」と招待券をもらって高校の同級生と観に行ったのが6代目市川染五郎の『ラ・マンチャの男』。 まぁ、つまらないつまらない(笑)。ずーっと牢屋の中でおじさんが愚痴と妄想を永遠と喋って歌っている。終演後、「つまらなくてごめん」と級友たちに謝った。 しかし、10代であっても何かを感じたのだろう。思い出したようにこの舞台に足を運び、40代になって4回目のラマンチャ観劇で、私は初めて泣いた。やっと「見果てぬ夢」の良さがわかる歳になったのだと、泣いた自分に感激してしまった。染五郎さんは幸四郎、白鸚と名前を継いで78歳。上演回数は1300回を超えた。ずっと拝見していたいが映画と違って演劇はそうはいかない。今まさに芸術文化として保存しなければ、後世に残さなければいけない1本、それが森光子さんの『放浪記』と、この作品だと思うのだ。 分野:演劇 推薦者:笠井 信輔(フリーアナウンサー) 作品名:帝劇ミュージカル『ラ・マンチャの男』 写真提供:東宝演劇部 LOVEミュージカル, ラ・マンチャの男, 帝劇ミュージカル, 笠井 信輔 片山 勝三(スラッシュパイル)/劇団かもめんたる『尾も白くなる冬』 架空線のフィクション《映像編》