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片山 正夫(公益財団法人セゾン文化財団理事長)/ダムタイプ『pH』

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1980年代の終わりころ、初めてダムタイプの『Pleasure Life』を観たときの衝撃は忘れられない。先端技術をエレガントに使いこなしながら、エッジの効いたコンセプトを作品に美しく結晶化させるセンスの良さ。美術、ダンス、音や照明が一体となった、新しい表現の誕生に瞠目させられた。
それに続く作品が、90年初演の本作『pH』だ。トラスが行き来する巨大なスキャナーのような装置。危険と隣り合わせの世界で演じられるパフォーマンスを、観客は上から観察者のように覗き込み、そこに仕込まれたさまざまな含意に考えを巡らせる。
本作をきっかけにダムタイプは本格的な海外進出を果たし、国際的な名声を得ていくことになるが、内容的にも『S/N』『OR』といった後続の傑作群への起点となる重要な一作といえる。
個人的には、ニューヨークでも観た想い出の作品。当時中心メンバーの一人で、HIVのため早世してしまった古橋悌二さんの在りし日の姿が瞼によみがえる。

 

分野:舞踊
推薦者:片山 正夫(公益財団法人セゾン文化財団理事長)
作品名:ダムタイプ『pH』
 

クレジット:©Shiro Takatani