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笹目 浩之(ウルトラポスターハリスター/プロデューサー)/演劇実験室◉天井桟敷『レミングー’82年改訂版 壁抜け男』

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『レミング 壁抜け男』の衝撃

壁なんてのは、あんた方の心の中にあるんだよ。
出口なんてね、出口なんてな、
結局最初っからあんた方にはなかったんだよ!
(1982年 『レミング 壁抜け男』より)

1982年12月10日、19歳。演劇実験室「天井棧敷」第30回公演『レミング ’82年改訂版 壁抜け男』を、新宿・紀伊國屋ホールで観劇した。
セリフの一つひとつが、心の中に棘として突き刺さっていく。これほどわが身に迫ってくるような演劇を観たのは初めてだった。
終演後、座席に座ったまま、しばらくは言葉も出ない。動くことさえできない。
まさか演劇を観ただけで、これほど心が揺さぶられるとは思ってもいなかった。
この日を境に、私の中で演劇と寺山修司の比重が圧倒的なものになっていった。
まさに、私の人生を貼り替えた、『レミング 壁抜け男』。

『レミング ’82年改訂版 壁抜け男』は、寺山修司の主宰した「演劇実験室◎天井棧敷」の最終公演、現代人の内面の問題を「壁の消失」に見ながら、シュールに展開してゆく世紀末の夢のまた夢の世界。現代社会の抱える問題や、現在の若者の内面の問題に鋭く切り込んだ作品です。現在の社会を予言したような、寺山修司が命を懸けて作・演出した最後のメッセージは、今でも生きています。

 

分野:演劇
推薦者:笹目 浩之(ウルトラポスターハリスター/プロデューサー)
作品名:演劇実験室◉天井桟敷『レミングー’82年改訂版 壁抜け男』
 
写真提供:テラヤマ・ワールド 撮影:木田勝久