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今井浩一(ライター)/ 文学座『ぬけがら』

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文学座のレパートリーは別役実から始まる不条理劇の系譜がある。名古屋を拠点に活動する劇作家・佃典彦の戯曲を松本祐子が演出した。ヌラクラと優柔不断家に生きてきた息子と、“脱皮”を繰り返して若返っていく父親の物語。老いた父親は認知症のようだったが、その姿が若返るたびに息子は父親がどんなふうに生きてきたかを知る。部屋の中にそれら父親のぬけがらが山積みになったシーンの珍妙さがクライマックス。息子の「生」が際立って見えた瞬間だ。第50回岸田國士戯曲賞受賞作品。老舗劇団であってもこんなバカバカしい芝居を!と二重の感動が湧いてきた。

 

分野:演劇
推薦者:今井 浩一(ライター)
作品名:文学座『ぬけがら』