EPADとは?
一般社団法人EPADが文化庁や広く舞台芸術界と連携して進める、舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業(Eternal Performing Arts Archives and Digital Theatre)の略称です
EPADでは消えゆく舞台作品を未来と世界に伝えるため、舞台映像、戯曲、美術、ポスターその他資料のデジタルタルアーカイブ化や利活用を進めると共に、その収録、保存、配信、上映、教育利用などの標準化と、利用を可能にするための権利処理のサポートを行うことを通して、舞台芸術の収益力や対外発信の強化を支援することを目的としています。この目的を達成するため:
・保存・継承:
幅広いジャンルの舞台芸術に関する映像その他の資料の収集、高画質・高音質での新規収録、デジタルアーカイブ化
・情報の整理:
作品情報や権利情報のデータベース化、権利処理システムの構築、それらに関連する資料・データの維持・管理
・作り手と観客の新たなマッチング:
舞台映像や資料の各種プラットフォームを通じた公開と配信、上映会・舞台映像見本市・シンポジウムなどイベント開催、多言語字幕化などの国際発信、バリアフリー字幕化などのユニバーサル化、教育利用など利活用の促進
・収益基盤の確保:
これらのための権利処理と、現場への収益還元の支援
・ネットワーク化と標準化:
上記の活動をおこなう各団体との相互連携・支援、調査研究、それらを通じた標準化の推進
などの事業を、広く業界内外の各団体・個人の協力を得ながら進めています。
EPAD事業は、2020年のコロナ禍で劇場に集うことが困難になった断絶の時代に、文化庁令和二年度戦略的芸術文化創造推進事業「芸術文化収益力強化事業」のひとつとして、現一般社団法人緊急事態舞台芸術ネットワークと寺田倉庫株式会社との共催事業として開始されました。消えゆく舞台映像などを収集し、対価を主催団体・権利者に還元することで苦境にあえぐ現場の支援を展開すると共に、(一部の意欲的な事例を除いて)遅れていた日本の舞台芸術のデジタルアーカイブ化や映像配信を推し進めています。
これまでに、映像約1,700点を収集し早稲田大学演劇博物館その他にてデータ保存し(詳細:https://enpaku-jdta.jp/)、そのうち約430点の権利処理を支援して主催団体において配信可能化しました(詳細:https://epad.terrada.co.jp/index.php/category/movie/)。
更に、日本劇作家協会と協力して戯曲約550点(詳細:https://playtextdigitalarchive.com/)、日本舞台美術家協会と協力して舞台美術資料約2,500点のデジタルアーカイブ公開を実現しています。(詳細:https://epad.terrada.co.jp/index.php/bijutsu/)
2023年度は、更に規模を拡大して、時代を超えた1,000本以上の貴重な舞台映像の収集・収録、戯曲デジタルアーカイブの拡充、4万件規模の舞台美術データベースの構築、歴史的な舞台ポスター150点以上のデジタルアーカイブ公開などが進行中です。
更にそれらの情報のハブとなるEPAD作品情報データベースや権利処理システムを構築・拡充しています。
また、2022年度には国際交流基金との協力により、日本を代表する50作品に6ヵ国語の字幕を付して無料ウェブ公開する「Stage Beyond Boarders」事業を展開し、111ヶ国から1000万回以上という、舞台映像としては異例の視聴を集めました。
2023年度は、8Kなど高画質・立体音響による新作舞台の収録を進め、パルコ劇場・東京芸術祭・京都ロームシアターなどの各地の劇場での大画面上映、各施設での大型モニターによる常設上映、多言語発信やバリアフリー化、教育利用などの実証と普及を進めます。
詳しくは、文中のリンクや下記の過去年度の紹介ページのほか、2023年度事業については「News」、SNS、EPAD特設ページをご覧ください。
EPADでは今後も、日本の舞台芸術のアーカイブ資産を、記憶/感覚再生装置として様々なかたちで活用することを提案してまいります。何卒、引き続きご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
[運営団体:一般社団法人 EPAD]
(一社)緊急事態舞台芸術ネットワーク・寺田倉庫株式会社によるEPAD実行委員会を発展させ、上記2団体により2023年設立。
理事:伊藤達哉**、緒方靖弘、高萩宏*、福井健策*、三好佐智子
*:代表理事、**:事務局長
[EPAD事務局]
140-0002 東京都品川区東品川2-6-10
https://epad.terrada.co.jp/
info@epad.terrada.co.jp
[賛同・協力団体]
早稲田大学演劇博物館、(公社)日本劇団協議会、(公社)全国公立文化施設協会、(一社)日本劇作家協会、(一社)日本舞台美術家協会、(一社)舞台映像協会
成果報告
(1)EPAD成果報告シンポジウム(2021年3月13日)
(2)2020年度事業報告書
収集作品
(1)公演収録・既存の公演映像の配信可能化事業
(2)スタッフ技術のEラーニング動画の制作、教育連携事業
《スタッフ技術のEラーニング動画の制作、教育連携》
《戯曲の収集とデジタル化》
《舞台美術作品の写真、デザイン画等の収集とデジタル化》
EPAD2021年度収集作品
カンパニー・アーティスト名
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タイトル
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分野
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収録年
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iaku
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『粛々と運針』
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演劇
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2017 New
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unrato
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『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき~』
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演劇
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2021 New
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北村明子 |
『Echoes of Calling』
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ダンス
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2021 New
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オフィスアルブ
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『Echoes of Calling』
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ダンス
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2021 New
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ケダゴロ
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『ビコーズカズコーズ Because Kazcause』
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ダンス
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2021 New
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公益社団法人日本舞踊協会
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『ボレロ』
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ダンス
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2021 New
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Co.山田うん
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『コスモス』
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ダンス
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2020 New
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さいたまゴールド・シアター
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『薄い桃色のかたまり』
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演劇
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2017 New
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島地保武 × 環ROY
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『ありか』
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ダンス
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2016 New |
DAZZLE
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『花ト囮』
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ダンス
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2014 New
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月灯りの移動劇場
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『Peeping Garden /re:creation』
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ダンス
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2021 New
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Noism Company Niigata
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『春の祭典』
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ダンス
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2021 New
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Noism Company Niigata
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『残影の庭』
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ダンス
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2021 New
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向井山朋子、森山未來
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『TWO – in transit Hara Museum』
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ダンス
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2021 New
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山田由梨/贅沢貧乏
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『わかろうとはおもっているけど』
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演劇
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2019 New
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ラサール石井、倉持裕
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『ミュージカル HEADS UP!』
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演劇
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2018 New
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Ruri Mito (Co.Ruri Mito)
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『Matou』
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ダンス
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2021 New
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渡辺源四郎商店
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『どんとゆけ』
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演劇
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2020 New
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EPAD2020年度収集作品
カンパニー・アーティスト名
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タイトル
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分野
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収録年
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飴屋法水
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『宮澤賢治/夢の島からーじめん』
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演劇
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2011
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イキウメ
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『太陽』
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演劇
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2016
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維新派
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『トワイライト』
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現代演劇
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2015
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振付・演出:エラ・ホチルド/美術:大巻伸嗣 |
『Futuristic Space』
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ダンス
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2019
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「老いと演劇」OiBokkeShi
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『ハッピーソング』
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演劇
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2020
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シガール姉妹
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『おやすまなさい』
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現代演劇
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2016
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笠井叡/魁文舎
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『透明迷宮(Aプロ)』
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ダンス
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2008
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公益財団法人日本製鉄文化財団
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江戸三味線音楽の変遷 第9回
文明開化到来『元禄風花見踊』 江戸三味線音楽の変遷 第10回 暗中模索からの脱却『春興鏡獅子』 |
伝統芸能
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2018
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公益財団法人日本製鉄文化財団
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邦楽華麗なる技2長唄 『勧進帳』
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伝統芸能
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2011
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コドモ発射プロジェクト
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『なむはむだはむ』
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ダンス
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2017
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contact Gonzo
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『xapaxnannan(ザパックス・ナンナン)
:私たちの未来のスポーツ』 |
ダンス
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2014
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首藤康之、小野寺修二、coba
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『空白に落ちた男』
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ダンス
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2008
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城山羊の会
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『自己紹介読本』
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演劇
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2016
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青年団 国際演劇交流プロジェクト2019 |
『東京ノート・インターナショナルバージョン』
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演劇
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2020
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美術・演出:丸山純子/振付・演出:チョン・ヨンドゥ |
『無・音・花 Silent Flower』
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ダンス
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2016
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振付:塚原悠也 /出演:寺田みさこ |
『ダンサーがチューイングガムを
運ぶための3つのフェーズ(準備・移動・撤収)』 |
ダンス
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2018
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東京演劇道場 |
『赤鬼』
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演劇
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2020
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二兎社
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『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った・・・』
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演劇
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2021
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ニブロール
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『Romeo OR Juliet』
(Nibroll結成立10周年作品 /日本ダンスフォーラム賞受賞作品) |
ダンス
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2008
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範宙遊泳
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『うまれてないからまだしねない』
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演劇
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2014
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FUKAIPRODUCE羽衣
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『スモール アニマル キッス キッス』
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演劇
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2020
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藤本昭子
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『第17回 藤本昭子演奏会』
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伝統芸能
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2014
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太めパフォーマンス
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『Sento』
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ダンス
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2020
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堀企画
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『水の駅』
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演劇
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2020
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Port B / 高山明 |
『東京/オリンピック』
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演劇
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2007
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ままごと
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『わが星』
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現代演劇
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2015
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ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
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ミュージカル『刀剣乱舞』
髭切膝丸 双騎出陣 2020~SOGA~ |
演劇
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2020
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メメントC
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『太平洋食堂』
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演劇
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2020
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MONO
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『相対的浮世絵』 |
演劇
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2004
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Monochrome Circus
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『緑のテーブル』
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ダンス
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2009
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森山未來、エラ・ホチルド
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『JUDAS, CHRIST WITH SOY
~太宰治「駈込み訴え」より~』 |
演劇
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2017
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振付・演出:矢内原美邦/映像監督:吉開菜央
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『コーヒー』 |
ダンス
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2018
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ロメオ・カステルッチ
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『宮澤賢治/夢の島からーわたくしという現象』
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演劇
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2011
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ロロ
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いつ高シリーズvol.7
『本がまくらじゃ冬眠できない』 |
演劇
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2018
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2.【協力】「日本の演劇」未来プロジェクト事業

文化庁の令和2年度補正予算公募事業「大規模かつ質の高い文化芸術活動を核としたアートキャラバン事業」(公益社団法人日本演劇興行協会は一般社団法人緊急事態舞台芸術ネットワークとの協働)において、EPADは8作品の8Kカメラ+空間オーディオ(Dolby Atmos®️)による高水準の収録を行いました。 2022年1月21日には高音質・高画質による関係者向け上映会と、座談会を行いました。
カンパニー・アーティスト名
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タイトル
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分野
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収録年
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エイベックス
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タクフェス第9弾『天国』
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演劇
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2021
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東急文化村
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COCOON PRODUCTION 2021
『泥人魚』 |
演劇
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2021
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ネルケプランニング
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ミュージカル『テニスの王子様』
4thシーズン 青学vs不動峰 |
演劇
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2021
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パルコ
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PARCO PRODUCE 2021
音楽劇『海王星』 |
演劇
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2021
|
パルコ
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PARCO PRODUCE 2021
『ザ・ドクター』 |
演劇
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2021
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ホリプロ
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『ムサシ』
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演劇
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2021
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明治座
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梅沢富美男劇団 梅沢富美男特別公演 泉ピン子特別出演 後見人梅沢武生
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演劇
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2021
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EPAD2022実行委員会は2022年度(文化庁令和3年度補正予算 文化芸術振興費補助金 統括団体によるアートキャラバン事業(コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業))、以下の事業を2023年1月31日までに実施します。
映像収集事業
まとまった数の作品のアーカイブ・イベント参加・広報協力を行うパートナー団体と、公募作品を合わせて、400作品をEPAD登録いたします。そのうち、150作品の配信可能化を目指します。
パートナー団体
こまつ座(演劇)
NODA MAP (演劇)
マームとジプシー(演劇)
豊岡演劇祭2022(演劇)
DANCE BOX(舞踊)
Dance Base Yokohama(舞踊)
能楽協会(伝統芸能)
スターダンサーズ・バレエ団(舞踊)
モデル事業
舞台芸術におけるエコ・システムの確立を目指し、デジタルアーカイブ化した作品の利活用を推進します。
イベント
1 豊岡演劇祭2022 共催 映像上映イベント
2022年9月19日&20日 @豊岡劇場
2 デジタルアーカイブ学会『第7回研究大会(沖縄)』プレイベント
8K特別上映『こまつ座 2022年7月上演「紙屋町さくらホテル」
2022年11月24日@那覇文化芸術劇場なはーと
3 EPAD2022『撮る、のこす、使う~舞台公演映像の利活用をめぐるシンポジウム~』(2022年12月1日 オンライン開催)
舞台デジタルアーカイブに関する報告書はこちら
(シンポジウムの要旨や舞台デジタルアーカイブ連携会議などについて収録)
4 「天王洲電市 ~記憶は感情を通電させる~」
(2023年1月20日・21日 寺田倉庫「E HALL」および同時開催オンライントーク)
プラットフォーム
配信可能化した舞台芸術映像はオンライン配信をEPADがコーディネート、1月までに大部分の作品の配信を開始します。