ぎきょく

古川貴義/父が燃えない
分類:演劇
作家名:古川貴義
作品名:父が燃えない
上演年:2018
作品概要:箱庭円舞曲 第二十六楽章として上演。【あらすじ】現代、会津若松市の火葬場、待合室。市営の火葬場は市街地から離れた辺鄙な場所にあり、訪れる人が居なければ職員も出てこない。よく言えば静謐な空間である。人の出す音よりも、虫や風の音の方が姦しい。遺体が燃え尽きるのを待つ人々は、故人の思い出を問わず語りに語り合う。一体どんな人間だったのか、何をして、何をしなかったのか。父母や親族との関係、友人との交流、家族との珍事。故人がどういう人間だったかを、それぞれが勝手に語り尽くす。語っても語っても出てくる、出てくる、また戻る、同じ話が繰り返される、捉え方が人によって微妙に違っている、でも答えは分からない、故人しか分からない。同じとき、同じ場所で、同じ時空を共有していたはずなのに。あの人はあの日、何を考えていたんだろう。遺された私たちには、想像することしかできない。
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