ぎきょく

天野天街/くだんの件
分類:演劇
作家名:天野天街
作品名:くだんの件
上演年:1995
作品概要:どこでもない時、どこでもないところ、どこでもない夏の或る日……記憶の奥に取り残された荒廃した店頭。ホコリの積もったカウンターの奥に座る一人の男(ヒトシ)のもとに、一人の男(タロウ)が訪ねてくる。タロウは昔、集団疎開をしていた頃、このあたりの二階の片隅で半人半牛の怪物「クダン」を飼っており、その「クダン」を探しに来たという。謎めいた二人の過去をめぐり会話は捩れ、過去と現在を行きつ戻りつしながら世界は迷走し、蝉時雨を背景に分裂と増殖を繰り返す。《夏》のイメージを明滅させながら、まるで極彩色の光の中をジェットコースターで走り抜けるようなスピードで物語は展開し、夢か現(うつつ)かわからぬ世界の先に待つオシマイへと向かう。1995年初演以来、国内・海外各都市で上演し、アジア演劇界に衝撃をもたらした驚愕の二人芝居。1999年、第四十四回岸田國士戯曲賞最終選考ノミネート作品。
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