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ぎきょく

堀川炎/工場

ぎきょく

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分類:演劇

作家名:堀川炎

作品名:工場

上演年:2019

作品概要:自分は外の国からやってきた人間だ。この工場にやってきて、廃液処理の仕事にありついた。職場の人はやさしい。だけど規則が山のようにある。調和、規則、団体行動。一日でいやになったが、出稼ぎにきているから辞められない。ある時、屋上にいると知らない社員がやってきた。そして急に煙草をふかしはじめた。ここは禁煙だ。それなのに、無言で差し出して勧めてくる。自分は煙草が吸えないと断った。そいつはドモリだった。ほとんど話さない。話してドモルと、言いなおすまでに時間がかかる。すると待っている相手との間に、変な空気が流れる。だから話さない。しかし毎度その煙草をふかす後ろ姿をみながら、こいつは意外と度胸があるし、うまいことやっているなと感心した。それから気づいたことがある。この国の人たちもサボって力を抜くときがあるということだ。規則の多いこの工場は、みな色々なものに縛られている。だけど、案外上手くやっているようだ。

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