ぎきょく

くらもちひろゆき/仏壇のない家
分類:演劇
作家名:くらもちひろゆき
作品名:仏壇のない家
上演年:2001
作品概要:時は1976年、とある春の昼下がりの照妙寺。先代住職の父忠良の四十九日の法要。住職として初めて采配をふるったのが父親の葬式だった、この寺の若き住職忠房は、父が亡くなると同時に、教員として勤務していたとある高校を辞めていた。姉若葉は、隣県の寺に嫁いでいたが、父が亡くなった直後に帰郷し、そのまま現在に至るまで僧侶である夫昭久の元へ帰っていない。妹千尋は、近所のこれまた寺に嫁いでおり、夫頼定はやはり僧侶である。忠房には大きな気がかりが一つあった。教え子の菊池里見のことである。電話で彼女は「もしかしたら妊娠したかも知れない」と言ったのである。その相手は、他ならぬ忠房自身だった。教師、僧侶という二つの聖職にありながらそんなことになってしまった忠房は、どのような決断を下すか、実は未だ迷っていた。優柔不断だったのである。そこに、里美の父武蔵が乗り込んできた。
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