ぎきょく

森馨由/白波の食卓
分類:演劇
作家名:森馨由
作品名:白波の食卓
上演年:2008
作品概要:舞台は長崎県佐世保市鹿子前町。海に囲まれた静かな町に、ひっそりと暮らす阿部祥子。彼女は毎日、海を見つめている。五年前に弟を飲み込んだ海を…。白波は、彼女の心に繰り返し繰り返し打ち寄せる。その波に足を取られ、彼女はその場を動けない。そんな時、東京に出たきりだった妹の基子が、友人の美咲を連れて帰って来る。五年前の傷に土足で入り込む美咲。姉の時間を動かそうと奮闘する基子。静かだった祥子の生活は一変した。だが、その乱暴なまでのお節介に導かれて、祥子は気付く。海に囚われているのが、自分だけではないということに。この家は寂しそう。こんな綺麗なところなのに、…どうしようもないぐらい、寂しそう。あの日、彼を飲み込んだ海は、今日もまた乱反射を繰り返している。
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