えいぞう

PortB/雲。家。
分野:演劇
上演団体:PortB
作品名:雲。家。
上演年:2009
作品概要:多民族国家化が加速する今の時代に「祖国」とは,「家」とは,と問いかけたノーベル賞作家,イェリネクによる戯曲『雲。家。』。高山明は,その短いテキストを通して,現代の日本人にとっての「家」を探った。舞台上には巨大な鉄骨の足場が組まれている。その全面を覆うスクリーンに,池袋のサンシャイン60の姿,巣鴨プリズンの跡地だとは知らずそこへ集まる若者たちへのインタビュー,外国の地で暮らす留学生の母国に関する談話が映し出される。映像の合間にはパフォーマー・暁子猫が戯曲の断片的なテキストを淡々と綿々と語る。その姿は時に暗い照明の闇に隠れ,声だけが劇場の暗闇に響きわたる。「わたしたち」で始まるその台詞の連なりは,引用句のコラージュで,抽象的であるにも関わらず,舞台は「国家」と「わたし」の危うい関係を見事に浮かび上がらせ,普段は無自覚な「この国」への意識を呼び覚ます。(F/T09:Documentsより転載)
Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載
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