えいぞう

リミニプロトコル/カール・マルクス:資本論,第一巻
分野:演劇
上演団体:リミニプロトコル
https://www.rimini-protokoll.de/website
作品名:カール・マルクス:資本論,第一巻
上演年:2009
作品概要:研究者,活動家,学生, 旧東ドイツの市民など,国籍も職業もさまざまな人々がその実人生と『資本論』とのかかわりについて語るパフォーマンス。ステージには大きな本棚(そこには大量の「資本論」文庫版が並ぶ)が設置され,出演者はその中に腰掛けたり,時には棚から顔だけ出したりと,常にリラックスしたムードを漂わせている。ギャンブル依存症患者や投資詐欺で訴えられたコンサルタント,政治犯を父に持つマルクス研究者……彼らに共通のイデオロギーはなく,『資本論』との関係の深さも一定ではない。しかし,ざっくばらんな「語り」の集積はそのまま,この書物の普遍性や大きな存在感の証しともなった。「資本論」がなければこの舞台に立つことさえなかった人たちの生の言葉,佇まい。そのリアルに触れながら,私たちは「資本論」とは,また「資本主義」とは何かという抽象的な問いをいつになく身近に感じたのだった。(F/T09:Documentsより転載)
Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載
クレジット:(photo)石川純