えいぞう

小泉明郎/縛られたプロメテウス
分野:演劇
上演団体:小泉明郎
作品名:縛られたプロメテウス
上演年:2019
作品概要:小泉は,あいちトリエンナーレからの委嘱を受け,アイスキュロス作のギリシャ悲劇『縛られたプロメテウス』を出発点に,VR技術を使った初の本格的演劇作品を制作した。未来を予見する能力をもちつつも,ゼウスから火を盗み,人間に与えた罪で永劫の苦しみに苛まれるプロメテウス。矛盾した存在であるプロメテウスは,人間の身体がもつ有限性と,それを乗り越えようとするテクノロジーの緊張関係として捉えることができる。 VRのヘッドマウントディスプレイを装着した観客は,何もない空間の中を自由に歩き回りながら,自分とは異なる身体的条件に生きる他者の感覚や感情,その絶望と希望を全身で追体験することになる。そこで私たちが経験するのは,人間が身体を超越して存在し続けるユートピアなのか,それとも生命の本質が失われたディストピアなのだろうか? (あいちトリエンナーレ2019カタログより転載)
Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載
クレジット:�Aichi Triennale Organizing Committee (Photo)Shun Sato