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えいぞう

SPAC−静岡県舞台芸術センター/ミヤギ能 オセロー 〜夢幻の愛〜

えいぞう

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分野:演劇

                 

上演団体:SPAC−静岡県舞台芸術センター

https://spac.or.jp/

作品名:ミヤギ能 オセロー 〜夢幻の愛〜

上演年:2018

作品概要:「夢幻能」の形式によって立ち現れる
かつてない幽玄の『オセロー』
シェイクスピア四大悲劇の一つ『オセロー』。黒い肌の傭兵将軍オセローが,部下の姦計から猜疑と嫉妬に狂った末,最愛の妻を手にかける——舞台はもちろん映画化もされるなど,今も世界中で上演され続けているこの傑作悲劇を,宮城聰は「夢幻能」の形式を用い,オセローに殺された妻デズデモーナの側から描くことで,痛切な「愛の物語」へと昇華させます。
「夢幻能」は,この世に想いを残した死者(シテ)が旅僧(ワキ)の夢の中に亡霊として現れ,在りし日の栄光や苦しみを語ることで,最後は成仏するという構成を取ります。東京大学名誉教授で比較文化史の大家・平川祐弘氏は,『オセロー』を用いて「夢幻能」を解説する論文を雑誌「文學界」に発表し,その際主役(シテ)をデズデモーナとしました。偶然この記事を目にした宮城は,「デズデモーナは男性から見た女性のステレオタイプとして描かれ,個性が感じられず人間味が薄かったが,主役に逆転することで一気に魅力が増し,最大の強みになっている」と衝撃を受け,早速平川氏に謡曲台本の執筆を依頼,2005 年東京国立博物館日本庭園で初演されました。
それから13年,宮城とSPACが生み出した「動き手」と「語り手」の二人で一役を演じる「言動分離」の手法は一層磨き上げられ,能の言葉の美しさを際立たせています。さらに俳優による打楽器の生演奏が,あらゆる魂を浄化させる宮城演出ならではの祝祭性を力強く演出します。能舞台が設えられ,普段と趣を異にした静岡芸術劇場で,「夢幻能」が「ミヤギ能」に生まれ変わる瞬間を是非目撃してください。

Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載

     

配信可能作品

観劇三昧

     

クレジット:宣伝美術:阿部太一[GOKIGEN]