
ナイロン100℃/ちょっと,まってください
分野:演劇
上演団体:ナイロン100℃
https://sillywalk.com/nylon/index.html
作品名:ちょっと,まってください
上演年:2017
作品概要:「無いみたいなんですよ,手も足も,顔も胴体も……」 確かなものはなにもない。 別役実×ルイス・ブニュエルを意識した果てなく更新され続ける言葉と世界。 ケラリーノ・サンドロヴィッチが放つ不条理演劇の最新形! 賛成派と反対派のシュプレヒコールが遠くに聞こえる中,物語は始まる。 とある洋館に暮らす金持ちの一家。その中では父親(三宅弘城)と母親(犬山イヌコ),そして息子(遠藤雄弥)と娘(峯村リエ)が,今日も退屈な会話を繰り返している。家族の会話は常に噛み合わず,家族に仕える2人の使用人(マギー,小園茉奈)の様子もどこかおかしい。 そこに仕立て屋の娘を誘拐した犯人から,身代金を要求する間違い電話が。父親は代わりに身代金を払ってやるように言うのだが,その電話は,退屈な日常を過ごす父親に,日記に書く材料を与えるため,息子が男の使用人にかけさせたものだった。そして,この家は借金まみれで,もはや金などないことが明らかになる。 その洋館の前に佇む,隣町からやってきた乞食の兄妹(大倉孝二,水野美紀)。妹は会ったこともないこの家の息子と結婚すると言い,その姿を確認してもらおうと兄を電信柱によじ登らせ,自分は窓から洋館に入っていく。残された兄は,あとからやってきた乞食の父親(みのすけ),母親(村岡希美),祖母(藤田秀世)と庭に住み着き,出来事の時系列を無視して絵ハガキを配達する郵便配達(廣川三憲)と一緒に,男の使用人を困惑させる。 一方,窓から洋館に入った乞食の妹は,金持ちの婚約者(木乃江祐希)を押しのけて妻となる。だが,思想の違いを理由に別れて金持ちの父親と結婚。居場所を失った妻と息子は家を出て,息子は反対派の市民運動家となる。そして乞食一家は洋館で暮らし始めるが,この家が借金した金は男の使用人に横領され,罪人名簿に偽の署名を書かれた金持ちの父親は,警察課長(廣川三憲)により死刑を宣告されるーー。
Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載