えいぞう

株式会社文学座/息子ですこんにちは
分野:演劇
上演団体:株式会社文学座
作品名:息子ですこんにちは
上演年:1991
作品概要:とある町の郊外。春とはいえまだ寒い夜。プスイギンとシルワーの二人の若者は,酒場で知り合った娘たちと飲み明かそうとこの村までやってきたのだが,娘たちに放り出されて一夜の宿を求めて歩き回るはめに。最終列車は出てしまい,寒さに耐えかねた二人はサラファーノフ家の扉をたたく。 サラファーノフ家はサラファーノフと娘のニーナ,息子のワーセンカの三人家族。他に泊めてくれる家はなく,プスイギンは思いついた出まかせの嘘をつく,「実は,自分はサラファーノフとさる女性の間に生まれた”息子”であったのだ」と……。 サラファーノフは,街のフィルハーモニーのクラリネット奏者で,生涯をかけた一曲の名作の作曲にとりかかっている−しかし,これらのことは彼の唯一の心の支え,つまりは寂しい嘘だったのだ。彼の仕事は,今では葬列やダンスの席で演奏することであり,彼の作品もまた,決して第一ページ目から先には進まない幻の名曲だったのである。 そんなサラファーノフに頼れる新しい息子が飛び込んできたのだ。はじめは疑うサラファーノフであったが,遂にはその出まかせの嘘を信じこんでしまう。それに,プスイギンはサラファーノフにどことなく似ているのだ。 やがて,物語は予想されない思わぬ方向へ進展していく……
Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載