
KYOTO EXPERIMENT/神里雄大/岡崎藝術座『バルパライソの長い坂をくだる話』
分野:演劇
上演団体:KYOTO EXPERIMENT
作品名:神里雄大/岡崎藝術座『バルパライソの長い坂をくだる話』
上演年:2017
作品概要:3度の岸田國士戯曲賞にノミネートされるなど,自身の劇言語を確立し,文学界からも注目を集める神里雄大は,ペルー共和国に生まれ神奈川で育った自身のアイデンティティに向きあいながら,政治や社会状況を取りこんだ作品を発表している。本作では,昨年10月からアルゼンチン・ブエノスアイレスに滞在している神里が,近年の各地での取材をもとに構成する独自の創作スタイルをさらに発展させた戯曲を執筆。現地で出演者を見出し,スペイン語での上演を行う。
オセアニア,小笠原,沖縄,ラテンアメリカ各国。それらの土地を自身で歩き集めたエピソードから立ち現れる「人の移動と死」とは。人間の移動や文化の融合,国家と個人の関係性などに目を向けながらドライブ感のある戯曲を創作してきた神里が,異国の地,異国の言葉に身を浸しながら掴みとる新たな地平に期待が高まる。
【神里雄大】
1982年ぺルー生まれ。東京および川崎を拠点に活動。 演出家,劇作家。岡崎藝術座主宰。移民や労働者が抱える問題,個人と国民性の関係,同時代に生きる他者とのコミュニケーションなどについて思考しながら舞台作品を発表している。2006年『しっぽをつかまれた欲望』で利賀演出家コンクール最優秀演出家賞受賞。『ヘアカットさん』(2009),『(飲めない人のための)ブラックコーヒー』(2013),『+51 アビアシオン, サンボルハ』(2015)が岸田國士戯曲賞最終候補にノミネート。『亡命球児』(『新潮』2013年6月号掲載)により小説家としてもデビュー。2016年10月より,文化庁新進芸術家海外研修制度によりアルゼンチン・ブエノスアイレスに滞在中。ウェブマガジンRealkyoto(http://realkyoto.jp/)にその滞在記録を公開中。
【岡崎藝術座】
2003年,演出家・作家の神里雄大の演出作品を上演する目的で結成。南米の照りつけるような太陽のイメージや色彩・言語感覚,川崎ニュータウンの無機質さが混在する作品を創作し,独自の存在感を持つ。2010年から2012年にかけ,3年連続でフェスティバル/トーキョーに参加。『レッドと黒の膨張する半球体』(2011)が2012 年の台北アーツフェスティバル,『+51 アビアシオン, サンボルハ』(2015)が2016 年のシドニーフェスティバル(オーストラリア),クンステンフェスティバルデザール(ベルギー),フェスティバル・ドートンヌ・パリ(フランス)に招聘されるなど,海外公演も多数。
※以上,2017年時点
※本作品で第62回岸田國士戯曲賞受賞
Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載