
KYOTO EXPERIMENT/松本奈々子,西本健吾 / チーム・チープロ『京都イマジナリー・ワルツ』
分野:舞踊
上演団体:KYOTO EXPERIMENT
作品名:松本奈々子,西本健吾 / チーム・チープロ『京都イマジナリー・ワルツ』
上演年:2021
作品概要:3歳から20歳までバレエを踊り,その後自らの身体のあり方を問い直してきたパフォーマーの松本奈々子,主にドラマトゥルクの役割を担う西本健吾が共同で演出を行う「チーム・チープロ」は,綿密なリサーチを積み重ね,“身体”を媒介に個人の記憶と集団の記憶を再構築するパフォーマンスユニット。KYOTO EXPERIMENT初の公募プロジェクトで選出され,2021年・2022年の2年間にわたり京都芸術センターで制作し,THEATRE E9 KYOTOにて上演する。
初年度の制作テーマは「ワルツ」。2020年の緊急事態宣言発令後に松本が始めた,想像上のものや人,風景と踊ることを試みる「イマジナリー・ワルツ」 プロジェクトを,京都バージョンとして展開するものである。日本で明治以降に踊られるようになったワルツは,男女が身体を接触させて踊ることから,その道徳的な問題が繰り返し指摘されてきた過去がある。ここを出発点に,当時とは別の意味で身体的接触が制限される現代において,触れ合うこと,手を取り合うことについて問いかけていく——。上演テクストは松本の個人史,京都で行うリサーチやインタビューを元に構成する予定。その朗読から浮かび上がる,「他者」と踊るワルツのかたち,そして2年をかけて孵化していく,テクストと身体の新しい関係性にも注目したい。
【松本奈々子,西本健吾 / チーム・チープロ】
松本奈々子と西本健吾によるパフォーマンス・ユニット。身体と身振りの批評性をテーマに活動を続けてきた。近年は,都市における具体的な場所や時間から一つのステップを見出し,そのステップが喚起する複数のコンテクストとパフォーマーの身体感覚や記憶の交差をあつかうダンス作品を制作している。主な作品に,『20世紀プロジェクト』(2017-2018),『皇居ランニングマン』(2019-2020) など。
Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載