
特定非営利活動法人ダンスボックス/Thikwa + Junkan Projekt
分野:舞踊
上演団体:特定非営利活動法人ダンスボックス
作品名:Thikwa + Junkan Projekt
上演年:2012
作品概要:ベルリンを拠点に活動する「劇団ティクバ」。NPO法人ダンスボックスによってはじめられた「循環プロジェクト」。障がいのあるなしの境界を超えて,舞台表現と向き合うこの2つのプロジェクトは,2009年から国際共同プログラムを継続。今回のKYOTOEXPERIMENTでさらなる展開をみせる。振付,演出を手がけるのは,2008~2009年に文化庁の研修員として訪れたベルリンで,ティクバと出会ったダンサー・振付家の砂連尾理(じゃれお・おさむ)。以来,障がいと健常,福祉とアート,そして日本とドイツといった異なる文脈を超えて対話を生み出し,その差異にひそむ微細な世界に目を凝らしながら,作品として成立させてきた。
今回,このプロジェクトの第3部として7月にベルリンで滞在制作を行ない,現地で作品を発表した。その後,京都では元・立誠小学校を舞台に,作品が再構成される。『劇団ティクバ+循環プロジェクト』の舞台では,容易には共有し得ない差異を互いに抱えたパフォーマーどうしが出会い,言語では決して置き換えられないコミュニケーションを交わす。さらに,プログラマーの望月茂徳によって車椅子のホイールはDJブースのように音を発するインタラクティブな装置となり,照明や音響といった裏方であるスタッフも舞台上でオペレーションを行なう。当たり前のものとして疑いをもっていなかった感覚,常識,そして舞台芸術の制度そのものを問い直す試みとなるだろう。
Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載
配信可能作品
クレジット:(写真)草本利枝