
マームとジプシー/あ,ストレンジャー
分野:演劇
上演団体:マームとジプシー
作品名:あ,ストレンジャー
上演年:2011
作品概要:(パンフレットより)
「四月の始まりと,異邦人が終わったあとの,あ,ストレンジャー」
三月も,もう終わります,
(つまりこの文章は,三月も,もう終わるって頃,ぼおんと,磨りガラスの窓の向こう,朝日が登り始めた,っていうのを,布団の中で眺めながら,書いています,)
もう少しで,四月が始まります,『あ,ストレンジャー』は,四月の始まりに始まって,四月の始まりに終わります,
(布団を出ることにします,机の上で林檎が腐っています,部屋を出ます,近所の小学生がワイワイと登校しています,子どもたちは頭がでかいから,すぐに転んじゃいそう,)
『あ,ストレンジャー』はカミュの異邦人の第一部までを,つまり,ムルソーという青年の母親が死んでから,五発の銃声を鳴らすところ,までをモチーフに描いています,僕なりに,ですが,
(電車に乗ります,いつも稽古をしている横浜へ向かいます,いい香水の匂いがする女性が,僕の肩に寄りかかり,寝ています,)
何かの拍子に,いつも通り,は,ぐらりと揺らいで,いつもの風景も,いつもの会話も,なにもかもが変わって,見えて,聞こえて,ムルソーが鳴らした五発の銃声すら,何かへの警鐘に聞こえて,ってことを,僕は,僕なりに,異邦人を,或いは,異邦人が終わったあとの異邦人を,作ってみようと思いました,それが『あ,ストレンジャー』なのだと,今は,思っています,
(そろそろ横浜に着きます,と,同時に,この文章も,そろそろ終わります,)
異邦人が,今,と,コミットしていくには,生まれ変わり,つまり,リボーン(Reborn),の,作業が必要だったし,そのためには,異邦人に,僕の生活,日常を,リミックス(Remix)していく必要もある,と,僕なりには,感じて,つくっています『あ,ストレンジャー』。
三月も,もう終わります,四月も,もう始まって,それもいつか終わるんだけど,僕らの,Re,の作業は終わりそうにありません,三月末日。
2011.3.28 藤田貴大
Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載
クレジット:(撮影)飯田浩一