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えいぞう

マームとジプシー/夜,さよなら 夜が明けないまま,朝 Kと真夜中のほとりで

えいぞう

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分野:演劇

                 

上演団体:マームとジプシー

http://mum-gypsy.com/

作品名:夜,さよなら 夜が明けないまま,朝 Kと真夜中のほとりで

上演年:2017

作品概要:(パンフレットより)

おもえば,いつだって夜だった,たとえ朝がやってきたとしても,
それは時間がそうさせているだけであって,
夜であることに変わりはなかった。
たまに笑ったのだとしても,それは夜に笑ったにすぎない。
そうだ,夜だった,と我にかえって表情を失くすのだった。
さいきん,ますます夜は暗闇を増すばかり,
どうしたらこの暗闇から抜けることができるだろうか,
なんてかんがえるだけ無駄かもしれない,もはや。
だけれど,ひとは,どういうわけか,
夜明けを目指す,ということも知っているから,
だからなのだろう,ものを書くようになってから,ずっと,夜のこと。
つまり同時に,夜明けのことを,夢見るようにして,描いてきた。
あの静かな水辺のほとりにて,止まってしまっている時間がある。
駅にて,いまでも誰かを待っているひとがいる。
きょうも,この町から,この世界から,ひとがいなくなった。
祈っているのだとおもう,変わってほしい,と。
きのうときょうがちがったように,では,あしたは?
やがて訪れる,ほんとうの朝を待っている。
無駄かもしれないし,完璧なんてあり得ないのもわかっている。
それでも待っている。死ぬまで待っている。
だから描いている,夜のこと。朝のこと。
果てるまで,描くのだとおもう。

2017.7.6 藤田貴大

Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載