えいぞう

こまつ座/マンザナ,わが町
分野:演劇
上演団体:こまつ座
作品名:マンザナ,わが町
上演年:2015
作品概要:1942年,アメリカ。ルーズベルト大統領の行政命令により,十一万人の日系人が強制収用所送りとなった。収容所の数は国内に十か所。前年の真珠湾攻撃により太平洋戦争がはじまり,アメリカは日系人の隔離政策を行ったのだ。
自国民を日系であるという理由だけで市民権を剥奪し,収容所に閉じこめ監視する。合衆国憲法違反である。
さて,舞台はカリフォルニア州の砂漠地帯マンザナ。バラックの強制収容所の一室。
朗読劇上演のために日系女性五人が集められた。ここマンザナが強制収容所ではなく,住民の自治で運営される素晴らしい町なのだと,住民たちに朗読劇で宣伝しなさい,というわけである。集められた五人は,ジャーナリスト,浪曲師,手品師,歌手,映画女優。
朗読劇の演出にあたって,ジャーナリストのソフィアは考えた。「民族がたくわえてきた膨大な量の記憶のお粥,日本独自の文化を,アメリカ文化の大鍋に加えたい」
やがて,朗読劇の作者は誰か,の疑問とともに,ある事実が発覚する。それをきっかけに五人は,黄色人種を迫害するアメリカは,全体主義ナチドイツと同罪であり,アジアを侵略する日本と同罪である,という認識にいたる。
ジャーナリストのソフィアは大統領へ抗議文を送りつづけた。やがて,危険思想の持ち主とみなされたソフィアは,さらに別の施設へ送られようとするが…。
Japan Digital Theater Archives(JDTA)掲載