舞台芸術
未来世界
ETERNAL PERFORMING ARTS
ARCHIVES AND DIGITAL THEATRE
Scroll
COLUMNS

読みもの

2021.02.18
山本 充(筑摩書店)/東京芸術劇場『cocoon』
ひめゆり学徒隊に想を得た今日マチ子の漫画を藤田貴大が迫真の演出で舞台化した本作で幾度となく響く「誰も死にたくなんてなかった」という言葉、「死にたくなかった」のはしかし死んでしまった者たちであり、その無念をもう一度舞台上にあらわすことは、能がそうであるように演劇の本質なのだとしたら、一〇年代においてこ
2021.02.18
西 加奈子(小説家)/ハイバイ『夫婦』
人間って愚かで、だからこそ愛すべき存在だ。そんな風に私たちを慰めてくれる作品はたくさんある。でも、岩井秀人さんの作品は、「愚かさ」が、ハイライトになっていない。そんなこと言うまでもなく、大前提のことだから。「ふうふ」は、「人間がどんな風に愚かなことをするか」、ではなく、「当たり前に愚かであるところの
2021.04.17
荒木伸二(映画監督)/城山羊の会『相談者たち』
「トロワグロ」をスズナリで見て「わ、山内さん、すごいの書いた、頂点達しちゃったかも」と私は思いました。居合わせた誰もが思ったはずです。一幕一場もの。時間も空間もジャンプしない演劇の中の演劇。本格派。精度を極めた構成、台詞、演出。案の定「トロワグロ」は岸田戯曲賞を獲りました。それから何作か後に発表され