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読みもの
2021.02.18
今自分が見ているものに対する感情が脳の中で言語化されるより先に、身体の方が勝手に反応してしまうという経験を初めてしたのが「夫婦」の観劇中であった。
冒頭まだ10分ぐらい、父親が家族の問題を全て無視してテレビに向かって一心不乱に指揮し続けるシーンを観ている時、気付かぬうちに涙が流れていた。ウルッでは
2021.02.18
フィクションで「死」を描くことは難しい。どんなに荘厳に描かれた死の場面においても俳優は決して死んではいないことは誰もが知っているからだ。
高原のサナトリウムのロビーを舞台にそこを行き交う人々の姿を描いた劇団青年団の代表作のひとつである『S高原から』。2005年にこまばアゴラ劇場での公演を見て衝撃を受
2021.04.17
文学座のレパートリーは別役実から始まる不条理劇の系譜がある。名古屋を拠点に活動する劇作家・佃典彦の戯曲を松本祐子が演出した。ヌラクラと優柔不断家に生きてきた息子と、“脱皮”を繰り返して若返っていく父親の物語。老いた父親は認知症のようだったが、その姿が若返るたびに息子は父親がどんなふうに生きてきたかを